職場における 熱中症予防対策

4熱中症予防のための作業環境管理

(1)熱源対策

熱や蒸気の発生源を探して、それらの除去、密閉、隔離を検討し、発熱源と作業者との間に断熱板を設置します。太陽光は、屋根、テント、ひさし、カーテン、遮光フィルム、すだれ、ブラインド等で遮光します。使わない機械の電源は切ります。湯気や熱気がある場合は、自然上昇を利用して上方から換気扇で排気します。

(2)空調(エアコン)

空調(エアコン)は、設定温度に頼らず作業位置で気温を実測して28℃を超えないようにします。作業効率を重視するのであれば22~26℃に調節するのがよいとされています。工場等の広い空間では、作業者がいる区域を仕切って空調を入れ、スポットクーラーで冷風を送ります。また、暑熱作業に従事する者の休憩室は24~26℃に調節します。エアコンとともに扇風機も併用して冷気の対流を促します。エアコンを使用しない場合は、窓を開けて通風を確保するとともに扇風機を使用します。気温が36℃でも通風は皮膚表面の温度を下げますので有効です。なお、エアコンや扇風機を使用する場合は、風向きが特定の人に当たらないように常に変更するようにします。

(3)地面・通路その他

アスファルト、コンクリート、樹脂等の人工的な地面は加熱されやすいので、蒸し暑くない朝のうちに打ち水を行います。通路等には、蒸発しやすい微細な水蒸気ミストを噴出させます。休憩場所は風通しの良い日陰に設置します。ベランダへの植栽の設置、窓への遮光フィルムの貼付、建物外壁の熱交換塗料の塗布、微細な水蒸気ミストの噴出なども利用して、WBGTを低減します。